日本人の三大死因であるがん・心疾患・脳血管疾患、それらの要因ともなる糖尿病・高血圧症・高脂血症・動脈硬化症・肥満など、多くの方が何かしらの問題を抱える生活習慣病とその予備軍。健康診断などで高血糖や高血圧と指摘され、糖尿病や動脈硬化症の心配をしている方も多いのではないでしょうか。
糖尿病をはじめとした生活習慣病は、その名の通り、日々の生活習慣と密接な関係があり、生活習慣を見直すことで改善に向かいます。その中でも特に重要なものは食事です。
そのため、表町薬局では食事療法(栄養療法)に重点を置いています。
日々の食生活を見直し、栄養バランスや食事の順序を改善することで、健康な体への体質改善を促します。
体質を改善する健康的な食事の順序
食事は栄養バランスもとても大切ですが、まずは簡単で毎日続けられる食事の順序から改善してみましょう。
糖尿病をはじめとした生活習慣病の予防には、過剰に血糖値を上昇させないことが大切です。また、血糖値の上昇は肥満にもつながりますので、ダイエットにも関係します。
もちろん血糖値は低すぎてもいけませんが、現代の食事は高血糖になりがちです。
空腹時に炭水化物を過剰摂取して急激に血糖値を上げるのはいけません。また、頻繁な血糖値上昇は慢性肥満につながります。
まずは野菜や海藻などのビタミン・ミネラル類を多く摂ることで血糖値上昇を抑え、体脂肪合成を緩やかにし、次にタンパク質、最後に炭水化物を食べます。副菜(野菜)→主菜(おかず)→主食(ごはん・パン)の順序を繰り返しましょう。
和食を食べる順序
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- 野菜
- 野菜(生野菜)や海藻などビタミン類・ミネラル類(副菜)
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- おかず
- 味噌汁・納豆・大豆など植物性たんぱく質
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- おかず
- 魚類・肉類などの動物性たんぱく質
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- ごはん
- 最後にブドウ糖(炭水化物)
洋食を食べる順序
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- 野菜
- 和食と同様、野菜(生野菜などビタミン、ミネラル類)・海藻
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- おかず
- 大豆・豆類などの植物性たんぱく質
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- おかず
- 魚類・貝類・肉類の動物性たんぱく質
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- パン
- 最後にブドウ糖(炭水化物)
動物性タンパク質は、人間より体温の高い牛・豚・鶏肉より、魚を中心としたタンパク質を摂取すると良いです。
特に鶏肉には、餌の中に含まれていた化学薬品などが多く入っているためです。
また、温かいものや旬のものを食べることも大切です。
からだを温める食べ物と冷やす食べ物
冬が旬の北の地方の名物とされる食べ物は体を温めます。逆に夏が旬の南の地方の名物は体を冷やします。
ところが今は冬でも夏のものが出回り、多くの人はそれを好みます。
昔の人は今に比べもっと体を動かすことが多かったので、筋肉も多く、熱を作る力も強かったのですが、今は体を動かさないので熱を作る力が弱いうえ、運動不足やストレスによる血行不良が平熱を下げます。
それなのに、夏でも冬でも冷やすものを多くとると、体はますます冷えて体温が下がるのは当然と言えるでしょう。
人は体の中で代謝という化学反応をして生きています。化学反応は一般的には温度が高いほど活発になりますので、体温が高いほど代謝が活発になると考えられます。
低体温は代謝を低くします。体を温めるものを意識して食べて平熱を上げることが必要ですが、体を温める食材でも、生のままや冷やして召し上がれば体は冷えますので、注意が必要です。
日本人の平均体温は36.89℃と言われてます。同じ人間でも民族によって異なり、欧米人は38℃近くあります。しかし42℃以上になると、体の中のいろいろなものが熱で壊れます。ですから、42℃に届かない37℃くらいが丁度いいと言われています。
平熱が36.5度より低い人は要注意です。平熱を上げて体を温める食べ物を積極的に摂り、平熱を下げて体を冷やす食べ物は少し控えるようにしましょう。
当薬局グループのからだを温めるサプリメントもご活用ください。
- 平熱を上げやすくする食べ物(+2.0)
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- 唐辛子
- にんにく
- しょうが
- わさび
- 香辛料
- 朝鮮人参
- 平熱を上げやすくする食べ物(+1.5)
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- 納豆
- めざし
- 味噌
- 牡蠣
- 発酵食品
- 平熱を上げやすくする食べ物(+1.0)
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- しいたけ
- 栗
- ねぎ
- 牛肉
- 羊肉
- 熱燗
- 秋冬の野菜
- 平熱を上げやすくする食べ物(+0.5)
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- しじみ
- わかめ
- にんじん
- りんご
- 紅茶
- 北の果物
- 平熱に影響しない食べ物
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- さつまいも
- いちご
- とうもろこし
- 緑茶
平熱36.5℃より低い方は低体温です。食事に注意しましょう。
- 平熱を下げやすくする食べ物(-0.5)
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- 豚肉
- 牛乳
- スポーツドリンク
- 平熱を下げやすくする食べ物(-1.0)
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- なす
- 豆腐
- きゅうり
- トマト
- 夏野菜
- 平熱を下げやすくする食べ物(-1.5)
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- すだち
- みかん
- レモン
- すいか
- ジュース
- 柑橘類
- 平熱を下げやすくする食べ物(-2.0)
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- コーヒー
- ほうれん草
- レタス
- キャベツ
- 麦茶
- ビール
体の季節にあった「旬」の食べ物を摂りましょう
からだ季節にあった「旬」の食材は、栄養価が高くて美味しく、大変お買い得です。
春夏秋冬の季節の食べ物から、日々の食生活を見直してみましょう。体の季節にあった「旬」のものを食べることが、病気になりにくい体を作り、健康を促進します。
- 1月の食べ物
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- 紅白かまぼこ
- 海老のうま煮
- 数の子
- 黒豆
- 昆布巻き
- 田作り
- れんこん
- みかん
- 新海苔
- かぶ
- 小松菜
- 三つ葉
- ぶり
- あんこう
- ふぐ
お正月のおせち料理にはそれぞれ意味があります。
- 紅白かまぼこ
- お祝い事に使われました。赤は邪気を払い、白は清浄の意味です。
- 海老のうま煮
- 腰を曲げた海老は老人のイメージから、長寿の意味があります。
- 数の子
- 子孫繁栄を祈った縁起物です。
- 黒豆
- その年がまめに健康で働けますように。
- 昆布巻き
- “養老昆布”と書いて”よろこぶ”
- 田作り
- 昔、米作りに大切だったのは乾燥させたイワシだったことから、豊年豊作の願いを込めています。
- 2月の食べ物
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- 菜の花
- かぶ
- 小松菜
- 三つ葉
- ほうれん草
- れんこん
- みかん
- 白菜
- ふきのとう
- ふぐ
- サバ
- カレイ
- ぶり
- あんこう
- 3月の食べ物
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- 菜の花
- よもぎ
- 小松菜
- 三つ葉
- からし菜
- パセリ
- すだち
- レモン
- ふきのとう
- いちご
- 鯛
- あさり
- 4月の食べ物
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- たけのこ
- さやえんどう
- ぜんまい
- 三つ葉
- からし菜
- パセリ
- アスパラガス
- ブロッコリー
- ふきのとう
- クロダイ
- メバル
- マダイ
- あさり
- いちご
- キウイ
- 5月の食べ物
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- たけのこ
- さやえんどう
- ぜんまい
- 三つ葉
- わらび
- パセリ
- アスパラガス
- そら豆
- ふきのとう
- イカ
- イシダイ
- イサキ
- あさり
- いちご
- サザエ
- 6月の食べ物
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- 夏大根
- さやえんどう
- キャベツ
- 夏じゃがいも
- きゅうり
- トマト
- なす
- そら豆
- ごぼう
- グリンピース
- 新玉ねぎ
- イサキ
- アジ
- あさり
- さくらんぼ
- 7月の食べ物
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- とうもろこし
- しそ
- キャベツ
- 玉ねぎ
- きゅうり
- トマト
- なす
- ピーマン
- 夏みかん
- かぼちゃ
- すいか
- サザエ
- カツオ
- アジ
- あさり
- 8月の食べ物
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- 豚肉
- しそ
- 玉ねぎ
- きゅうり
- トマト
- なす
- アジ
- あさり
- カツオ
- とうもろこし
- 9月の食べ物
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- なし
- ぎんなん
- 玉ねぎ
- かぼちゃ
- くるみ
- みょうが
- はつか大根
- ぶどう
- 大根
- くり
- 夏みかん
- キャベツ
- 10月の食べ物
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- れんこん
- くり
- みょうが
- さつまいも
- 白菜
- かぶ
- くわい
- マサバ
- 大根
- 松茸
- 初茸
- しめじ
- ゆず
- れんこん
- あずき
- 大豆
- 11月の食べ物
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- ほうれん草
- りんご
- れんこん
- さつまいも
- 白菜
- かぶ
- くわい
- 柿
- 大根
- みかん
- 新海苔
- ヒラメ
- カワハギ
- あんこう
- アマダイ
- 12月の食べ物
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- ねぎ
- りんご
- れんこん
- ごぼう
- 柿
- みかん
- 三つ葉
- こんにゃく
- ヒラメ
- あんこう
- アマダイ
ご来局いただければ、まずは日々の生活習慣や食事の観点から、患者さまとしっかりと話し合いながら原因を探り、症状の克服に努めます。
表町薬局の食事療法とは
- 生活習慣病は食事の栄養バランスや順序を見直すことで予防・改善ができます。
- まずは簡単に始められる「食事の順序」を改善しましょう。
- 低体温は代謝を低くします。日本人の体温は欧米人に比べて低いのです。体を温める食べ物を積極的に摂って平熱37℃を目指しましょう。
- 体の季節にあった「旬の食べ物」は栄養価が高く、病気になりにくい健康な体を作ります。